錦鯉の産卵時期は春から初夏、4月から6月頃です。
これから新しい命が誕生するこの時期は、飼い主さんにとって期待でいっぱいになる時期ですが、やはり産卵までにも気をつけなければならないことはあります。
しかしそうは言っても、ではまず何をすべきなのか具体的に思いつかなくて困っているという方もおられるかもしれません。
ここでは主に、産卵時期に入る前にまず行うべきこと、そして水カビ病と卵の消毒についてお話ししていきます。
卵を無事に孵化させるためには
産卵というのは、錦鯉にとって1年間の中で大きなイベントの一つと言えます。
しかし、産卵期はただ卵を産卵させるだけではなく、これから孵化してくる稚魚の安全についても予め考える必要があります。
卵を無事に孵化させて、その後稚魚が健康に育つには病気の予防が必要です。
錦鯉の病気は様々なものがありますが、特に卵や稚魚に影響が及ぶ『水カビ病』に気をつけましょう。
水カビ病の特徴
水カビ病は主に産卵の少し前、晩春から春になった頃に親魚の体に発生し、卵の孵化に大きな悪影響をもたらします。
場合によってはこの病気が原因で、せっかく産卵した卵が全て孵化しなかったという事例もありますので、特に注意が必要な病気と言えます。
まずやるべきこと
水カビ病は全ての錦鯉に発生するというわけではありません。
発生するのは、主に何らかの外的な要因で体に傷などがついている錦鯉です。
ですので、まずは錦鯉の体に傷などがついていないかどうかを確認しましょう。
そして、もしも何らかの傷や異常などが見られた場合は、その治療に専念しましょう。
つまり水カビ病というのは二次的な病気であると言えます。
日頃から傷などは早めに見つけて治療することで水カビ病の発生を防ぐことができます。
卵の消毒方法
水カビ病は魚体だけでなく、産卵後の卵にも発生するので、錦鯉が産卵を終えたらすぐに卵の消毒を行いましょう。
方法は薬浴で『マラカイトグリーン』という薬を使用します。
薬浴は池の水1tに対して2g~2.5gの量のマラカイトグリーンで30分間が目安です。
尚、薬剤を扱うときには手袋を装着し、直接薬に触れないように気をつけましょう。
まとめ
産卵は嬉しいことです。
そして卵が孵化する瞬間は感動でいっぱいになります。
ですが、そこへ至るまでには様々なリスクを乗り越えていかなければならないということをしっかりと念頭に置いて飼育しましょう。
そしてやるべきことを確実に行いつつ、稚魚に会えるその日を楽しみに待ちましょう。