最近は錦鯉を川に放流するという活動が増えてきています。
しかし、錦鯉は本当に川に放流しても大丈夫なのでしょうか。
ここでは錦鯉の放流への疑問に焦点を当てながら、生態系への影響についてお話ししていきます。
錦鯉の放流に対する反対意見が多い理由
実際、錦鯉の放流活動が増えているという状況に対しては、反対意見が大半であると言えます。
その一番の理由というのは、錦鯉を川に放流することで本来の生態系が大きく崩れるという危惧です。
そして錦鯉の放流活動というもの自体には、実際メリットなどは全く無いとも言われているほどです。
錦鯉の放流は違法になるのか
そもそも錦鯉の放流というのは違法なのでしょうか。
現在の規定では、池などの人間が管理している場所への放流については問題ではないが、自然の川などに放流することは問題があるということになっています。
自治体によっては錦鯉の川への放流を制限している場所はありますが、明確に「違法である」とか「錦鯉の放流は禁止」という決まり事は今のところは特に定められていないのが現状です。
生態系への影響
上記でも触れましたが、錦鯉放流の一番の問題と言えるのが生態系への影響です。
錦鯉を含む鯉というのは基本的に雑食であらゆるものを食べます。
そして、環境面においても大変強いという特徴があるので、基本的にいろいろな環境下でも生きることができます。
しかし雑食で環境に強いという特徴を角度を変えて考えてみると、錦鯉が川に放流された場合、元々その川に棲んでいたお魚などの生き物が錦鯉の餌の対象になってしまう可能性があります。
また、他のお魚がせっかく川底に産みつけた卵を錦鯉が食べてしまうということもあり得ます。
そうなれば、結果として今まで成り立ってきた生態系が大きく崩れてしまうのです。
ちなみに錦鯉を含む鯉とは、放流した場合はブラックバスと同じくらい生態系に影響を及ぼすと言われています。
まとめ
放流活動という響きだけでは、いかにも環境保護のための慈善的で称賛されるべき活動のように思いますが、錦鯉については全く話は違います。
何十年後、何百年後の未来の川は果たして今よりも良くなっているのかという部分で考えていくと、やはり錦鯉の放流というのは決して肯定的に捉えるべきことではないと言えます。
そして生態系の崩壊というのは私たち人間にとっても他人事とは言えない問題です。
上記の通り現在は錦鯉の放流について、はっきりと違法であるという規定などは定められてはおりません。
この問題に対する自治体などの新たな動きが気になるところです。