錦鯉はとても美しいですよね。
その美しさに魅せられ、錦鯉を愛してやまない人々も多くおられます。
しかし、その美しさの裏側にはとても過酷な背景があるということをご存知ですか?
ここでは主に紅白と大正三色の選別についてお話ししていきます。
そもそも選別とはどういうことか
錦鯉の選別とは、稚魚の段階で行われます。
稚魚と言っても当然、一匹一匹色や柄に個性があります。
選別というのは、その中で将来成魚に育ったときに美しくなると見込まれた錦鯉だけを残すこと、つまり錦鯉の稚魚たちにとっては最大の試練とも言うべきことなのです。
そして選別の方法は、最終的な成長目標としている色や柄によってそれぞれ違いがあります。
紅白と大正三色
まず紅白ですが、数ある錦鯉の中でも特に人気のある品種です。
白地に緋斑があるだけの至ってシンプルな品種ですが、シンプルな中に何とも言えない奥深さがあります。
そして大正三色とは、紅白に黒の斑紋が加わっている品種で、こちらもまた人気です。
文字通り、赤と白と黒の三色で華やかな模様が成り立っています。
選別方法について
上記でも述べましたが、選別というのは美しく育つと見込まれた稚魚だけを選ぶことですが、つまり裏を返せば美しく育たないと判断された稚魚たちを処分するということでもあります。
とても過酷な現実です。
紅白と大正三色の場合でいわゆる「美しく育たない」と判断される稚魚というのは、主に模様の無い無地の稚魚を指します。
そして選別は2回に渡って行われます。
1回目の選別は、稚魚が卵から孵化しメダカくらいの大きさになった頃に行われます。
この段階で無地の稚魚たちは外されていきます。
そして、7月頃に2回目の選別が行われ、最終的に美しく育つ稚魚が決定します。
そして2回目の選別で残った稚魚たちだけが初めて野池に放されて、美しい錦鯉としてすくすくと成長していくのです。
まとめ
人々は錦鯉を観賞して「きれい」という言葉を何気なく口にします。
ですがそこに至るまでには、とても過酷で切ない事情があるのです。
大変酷な現実ですが錦鯉の一生というのは、生まれ持った外見と人間の都合によって決められてしまうものなのです。
それを考えると、錦鯉の命の在り方についていろいろと考えさせられるところも多く、正直複雑な気持ちになりました。